フレデリック・コサール氏は、今ではパカレとともに自然派ブルゴーニュの一翼を担う存在として注目されています。
以前はニュイサンジョルジュのネゴシアンで働いていたそうですが、ワイン造りに大きな情熱を持っていた氏は、
以前から小さくても自分の手で栽培から醸造まで手がけたいと思い続け、96年から栽培方法、収穫方法、醸造方法まで自己流、
100%本人のみが携わるという非常に拘った造り手です。
栽培はビオディナミ農法。
ニコラ・ジョリーと同じ、土を耕すのも馬を用います。
機械を使うと土が押しつぶされて呼吸できなくなります。
その点、馬なら大丈夫。
ビオディナミの畑に行くと土がふかふかしているのがとても印象的。
そして糖度ののらないブドウは惜しげもなく捨て、本当に美味しい熟したブドウのみを小さな籠で運びます。
足踏みでつぶしながら破砕し、発酵は天然酵母で、もちろん補糖は行いません。
さらに二酸化硫黄も使用せず、フィルターも基本的には使用なし。
と、書き出したら色々とある人なのですが、言えることは「癒し系ブルゴーニュの頂点」の一人には違いないということです。
【このワインについて】
ジュリエナとサン・タムールというヴァンナチュールが皆無と言われているアペラシオンで、
フレッドはケヴィンとダミアンのデコンブファミリーとの共同プロジェクトを立ち上げました。
事のきっかけは、ボジョレーのヴァンナチュールの生産者の多くが、ヴァンナチュール=モルゴン、フルーリー、シルーブルを造っており、
その他のクリュ・ボジョレーはヴァンナチュールに向かないという固定観念を強く抱いているところにありました。
ケヴィンやダミアンなどいわゆる2世の若手ヴィニョロンでさえ、
そのようなステレオタイプな考えに染まってしまっていることに対して危機感を抱いたフレッドは、
ヴァンナチュールに向かないと思われている、ジュリエナとサン・タムールに焦点を当てて、
最高のワインをつくることによって偏見を打破してみせようと決意したのです。
【2016/02】
ジュリエナは醸造はフレッド、栽培はケヴィンとなります。
当店で試飲の際は、開けたては少し硬く還元していましたが、開いて来れば華やかな香り。
ガメイらしさのないスモモ様の香りにユーカリ、綿あめのような甘い香りも。
当店ではサンタムールとの飲み比べを行ったのですが、
ジュリエナは野性的な味わいで酸がしっかり目な印象。
野性的とはいえサンタムールとの比較では!というレベルで、余韻の苦味も優しく洗練されていて綺麗な味わい。
3日目あたりからキレイな印象が引き立って個人的にはベストでした。
4,700円[税抜き]
2014年 |
在庫:
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