カリフォルニアのアーバンワイナリーの先駆者
【生産者】クリス・ブロックウェイ
【生産地】アメリカ/カリフォルニア
【タイプ】白ワイン
【品種】マルサンヌ46%、グルナッシュ・ブラン38%、ルーサンヌ8%、ピクプール8%
【Alc.】11.5%
【容量】750ml
オーナーのクリス・ブロックウェイは、生まれ育ったネブラスカ州のオマハ、その後移住したシアトル、ロサンゼルスを経て、バークレーを本拠地としています。
ネブラスカ大学を卒業後、市内のレストランで働き始め、その後、太平洋岸北西部に移り住み、そこでワインに興味を持つようになりました。
友人が「ワインの造り方を学ぶべきだ」と冗談を言ったのをきっかけに、荷物をまとめてカリフォルニア大学デービス校のワイン醸造コースに入学しました。
その後、カリフォルニア州立大学フレズノ校に移りましたが、フレズノ校にはワイナリーが併設されており、ここで彼は「(余計な器具や薬剤など)使わないものは、全部使わない」というほどのエキスパートになっていました。
学業を終えた彼は、すぐにJCセラーズに就職。
JCセラーズは一般的なワイナリーとは異なっており、ここで様々な経験を積みました。
それと同時に、サンフランシスコ初の自然派ワインバー「テロワール」に出入りするようになり、多様なナチュラルワインを経験するようになります。
そんな彼にとって、自分の好きなワインで色々と実験をしてみたいと考えるようなったのは、自然な事でした。
そして、更なる経験を経て独立し、Broc Cellarsが誕生しました。
彼のカーヴは2つのスペースから構成されています。
1つは複数のステンレスタンク、コンクリートタンク、木製の大樽で埋められたカーヴ、もう1つはバリックと卵型のコンクリートタンクが配置されたカーヴです。
発酵はすべて天然酵母で行い、ほとんどの場合、亜硫酸を使用していませんが、ワインの状態によって必要であれば、ワインに完全に馴染むようにするため、瓶詰めの4週間ほど前に極少量を加えます。
印象的なラベルのデザインはカリフォルニア在住の女性アーティスト、
マルタ・エリス・ヨハンセンの作品です。
主に、インクペンや木炭、黒鉛、色鉛筆などを使ってシンプルな作品を仕上げています。
彼女に強い影響を与えた実母は、ウィレム・デ・クーニング、ジョン・ケージ、マース・カニングハム、そして彼女のゴッドマザーであるM.C.リチャーズなど、ブラック・マウンテン・カレッジ出身の重要人物と関わっており、 彼女は彼らの価値観と信念を受け継ぎ、素晴らしい作品を生み出しています。
【2020vinは】
ブドウ畑はヨセミテ国立公園から南に35マイルのところにあるマデラに位置。
標高は1300フィートにある畑で、土壌は花崗岩の片岩で出来ています。
暑さを防ぐために、ブドウの木には大量の葉を残して栽培しており(クロード クルトワと同じ手法)、強烈な太陽のエネルギーを分散させ、糖度が急上昇するのを防ぐために、敢えて収穫量はやや多めにしています。
この影響により、アルコール度数を13%以下に保つことができます。
自然な酸味を保つために、他のキュヴェより早い8月に収穫したブドウを使用。
ダイレクトプレスし、フレンチオーク、オーストリアのストッキンガー社製の大樽とテラコッタの3種で発酵。
フィルターを掛けず、11ヶ月熟成の後、翌年1月に瓶詰。
自発的なマロラクティック発酵が行われました。
なお、今までのワインに明るさを加えたいと考えるようになり、2018年よりピクプールが加えられています。
濁りのある白濁した色調。
白から黄色の花、白桃、洋梨、レモン、オレンジピールと言った様々な果実のフレーヴァーが溢れます。
口に含んだ最初のアタックは弱く感じますが、キリっと存在感のある酸があり、単調になっていません。
白桃や洋梨の果実を感じつつもドライに仕上がった味わいで、程よいボディと良質な酸味のバランスが心地良い。
太陽の下でのBBQや豚肉料理、桃などのフルーツとの相性が素晴らしいです。